取扱い台木

thumbnail

取扱い台木

当園で育成しております台木はすべて組織培養苗（GMP）を増殖して生産しております。検定の結果ウイルスフリーのものです（台木母樹ウイルス検定・全品種合格）

当園ではそれぞれの品種に適合した台木を選んで接木しております。台木の選定は当所にお任せ下さい。

台木のご指定をされる場合、またワイン用苗の大量委託をご希望されます場合は、ご予約を頂いてから接木致しますので、ご相談ください。接木作業は1月後半から始まり３月下旬までです。

作業の関係上、台木の数にも上限がありますのでお早目にご予約下さいますようお願い致します。 （前年９月頃〜がオススメです。）

  • ぶどう用台木に関することを説明させて頂きます。

    ブドウの苗木の殆どが“台木”に接木しています。これは北米に生息していたブドウ根アブラムシ「フィロキセラ」というブドウの根から養分を吸う虫がヨーロッパに蔓延した為、1860年代、欧州全土のブドウは存亡の危機に陥りました。“台木”を使用しない“自根苗”はこの虫に極めて弱く、品質低下、衰弱、枯死してしまいます。そのため「フィロキセラ」に抵抗性のある北アメリカの野生ブドウを改良し用いたことから始まります。

    日本には欧米より、明治、大正時代に台木が導入され、日本の気候や土壌、栽培品種に適した台木が選抜されています。

    日本で人気が高い品種は「ベルランデイエリ×リパリア」のテレキ系台木です。 この「テレキ5BB」の人気は圧倒的で強健性、早熟性、品質向上性など総合的に優秀な台木です。

    「テレキ5BB」の他、兄弟品種「テレキ8B」、「テレキ5C」は皆「テレキ5BB」とほぼ同様に適応性が高く優秀です。

    早熟性を望む場合は「101-14」か「リパリア・グロアール・ド・モンペリエ」ですが乾燥に弱く、やや短命で収量も少ないという欠点があります。 乾燥したやせ地や傾斜地では「3309」が強く、特にワイン用苗木には人気があります。

ペルランディエリー×リパリァ　テレキ5BB（台木のみの販売はしておりません）
（Berlandieri×Riparia Teleki 5BB）

テレキ系三大品種のひとつであり、本邦の主要台木です。耐乾性と早熟性が最大の特色で、準矮化性、品質、着色優良、樹冠は拡大するがテレキ系中ではやや小さい方になります。根はやや浅く細くて、耐湿性はやや弱いです。

  • 台負け：ややする
  • 石灰抵抗性：極強
  • 耐寒性：強い
  • 耐乾性：極強
  • 耐湿性：やや弱い
  • 根群：中
  • 発根：中
  • 樹齢：中
  • 収量：中
  • 熟期：やや早い
リパリア×ルペストリス　101−14（台木のみの販売はしておりません）
（Riparia×Rupestris 101-14）

最早熟台木として有名。準矮化性で台負けしやすいです。 極早熟、品質優れ、着色良好、根は浅く、発根良好。耐乾性はあるが適温肥沃地で成績が良く、火山灰土壌には最適です。若木からよく結果し、樹冠はやや小さく長命ではありません。耐寒性は強いです。やや本数を多く栽植すると良いが適温肥沃地ではテレキ系におとらないほど樹冠も拡大します。

  • 台負け：ややする
  • 石灰抵抗性：弱い
  • 耐寒性：強い
  • 耐乾性：やや弱い
  • 耐湿性：やや強い
  • 根群：浅い
  • 発根：良い
  • 樹齢：短
  • 収量：やや少
  • 熟期：極早/li>
ペルランディエリー×リバリア　S04（台木のみの販売はしておりません）
（Berlandieri × Riparia S04）

乾燥抵抗力が特に強く、石灰抵抗性があり広く普及した品種です。耐湿性もあります。肥沃地に適し、日本国内での利用価値も高いです。準矮化性でやや台負けする。早熟で品質優良、若木からよく結果します。根は中深で硬く強いです。適応性広く樹冠はかなり拡大しますが、急激な拡大は台負けをまねくので注意が必要です。

  • 台負け：する
  • 石灰抵抗性：強い
  • 耐寒性：強い
  • 耐乾性：強い
  • 耐湿性：強い
  • 根群：強い　やや深い
  • 発根：良い
  • 樹齢：中
  • 収量：中
  • 熟期：やや早い
リパリア　グロワール　ド　モンペリエ（台木のみの販売はしておりません）
（Riparia Gloire de Montpellier）

リパリア純粋種でもっとも早熟な品種です。 矮化性で台負けします。品質優良、負荷力は少なく、若木より良質な果実を産し、密植栽培に適します。 根は細く浅く、肥沃適湿地を好みます。火山灰土壌には最適。耐乾性はさほど強くはありません。 耐寒性があり、密植栽培の醸造用品種で最近人気があります。性質を知って栽培すれば実用価値が高い品種です。

  • 台負け：極する
  • 石灰抵抗性：弱い
  • 耐寒性：やや弱い
  • 耐乾性：やや強い
  • 耐湿性：強い
  • 根群：細　浅い
  • 発根：良い
  • 樹齢：短い
  • 収量：少ない
  • 熟期：極早
リパリア×ルペストリス　3309（台木のみの販売はしておりません）
（Riparia×Rupestris　3309）

テレキ系より先に交配作出された主要台木です。 耐寒性は強いが耐湿性は弱いです。準矮化性だが台負けは少ないです。 品質に優れ、着色良し、やや早熟、豊産強健で樹冠はやや大、根中深。発根は良く、紅色種の着色を鮮明にする重要な主台木です。

  • 台負け：少ない
  • 石灰抵抗性：やや弱い
  • 耐寒性：極強い
  • 耐乾性：やや強い
  • 耐湿性：中
  • 根群：中
  • 発根：中
  • 樹齢：やや長
  • 収量：やや多い
  • 熟期：中
ベルランディエリー×リパリア　テレキ5C（台木のみの販売はしておりません）
（Berlandieri×Riparia Teleki 5C）

同じくテレキ系の代表的台木です。特徴は耐寒性が強く、特に北海道に人気が高く、全国的にも指定が来るほど広い適地を持ちます。準矮化性、品質に優れ、早熟農産、樹は旺盛で樹冠は大、根は中深。乾燥にも湿地にもよく耐え、5BBより台負けしやすいが、実用上の問題はありません。着色良好で糖度も高く安定栽培出来る優良台木です。

  • 台負け：する
  • 石灰抵抗性：強い
  • 耐寒性：極強い
  • 耐乾性：強い
  • 耐湿性：強い
  • 根群：中深
  • 発根：中
  • 樹齢：中
  • 収量：中
  • 熟期：早
ベルランディエリー×リバリァ　テレキ8B（台木のみの販売はしておりません）
（Berlandieri×Riparia　Teleki 8B）

同じくテレキ系の主要台木です。5BB 5Cよりベルランディエリーの性質を強く受け継ぎ、品質向上性が高い最優良台木。準矮化、品質優秀、早熟、豊産、樹冠やや大、根は中深。耐寒、耐湿性あり。育苗は発根は良くないが、土壌適応性の幅広く日本国内の人気は高い品種です。

  • 台負け：する
  • 石灰抵抗性：やや強い
  • 耐寒性：強い
  • 耐乾性：極強い
  • 耐湿性：中〜強
  • 根群：中
  • 発根：不良
  • 樹齢：中
  • 収量：中
  • 熟期：早
モンチコラ×リパリア　188−08（台木のみの販売はしておりません）
（Monticola×Riparia 188−08）

準矮化性で台負けする。品質優良、紅色種の着色は最高で鮮紅色になります。性質は3309にも似ているが、やや早熟、豊産、耐乾耐湿性、樹冠中、根は堅硬。葉形が101−14と似ているため混同されている場合もあります。育苗時、発根と活着が困難なのが欠点です。

  • 台負け：ややする
  • 石灰抵抗性：不明
  • 耐寒性：強い
  • 耐乾性：極強い
  • 耐湿性：強い
  • 根群：やや深
  • 発根：不良
  • 樹齢：長
  • 収量：多
  • 熟期：早